「勝手だね、あんた」
「っ…」
冷たい瞳で、草野を見つめながら淡々と言葉を発した。
「最初に言っておく。アタシはもう、あやめを出す気なんてない」
「意味がわかんねえ!どういうことなんだよ!
いきなり、ここまで性格変わるなんて思えない。
何があったんだ、あやめ!」
草野は必死に“あやめ”に問いかけるように叫ぶ。
だけども、残念。
あやめには一切その言葉は届かない。
あやめは今、一生懸命自分を守ってるとこなの。
自分の全て犯してきた事なのに。
自分は被害者だと、必死に守ってるの。
「あはははっ」
「何がおかしいんだよ!!」
「ははは、くく…おかしいよ。
だって、あやめをめちゃめちゃにしようとしたのはあんたなのに。
今更、何それ。正義のヒーローのつもり?偽善?
はは、かっこいい。流石、人気者の草野君」
「………」
悔しそうに唇を噛みしめる草野。
ねえ、そうよね?
だって、昨日のアタシがした事は正当防衛だもの。
やり過ぎ?
いや、今までの罪を考えたら軽かったんじゃない?



