「何もなかったよー。でも、聞いて聞いて、ゲーセン入っちゃった!」

「え!本当に!?あそこ入れたの?どうだった?羨ましー」

「でも、特に何もなかったよー?」


葉月はゲーセンに入った事ないから、目をキラキラとさせてアタシを見ている。
そんな葉月を心の中で嘲笑う。


「まじでー。いいなあ、プリクラだって駅の反対側行かないと撮れないじゃん、うちの学校の子って」

「まあね」


草野達が女をカモにしているからね。
女は簡単に立ち入れないんだろうね。


「でも、あやめが楽しかったならいいや。よかったね!!」

「そうだね、ありがとう、葉月」


ニコニコ笑う彼女の奥底でも本当にそう思っているのだろうか。
あやめをちゃんと思っているのだろうか。