≪お前さえいなければ!!≫


彼女はきつく唇を噛み締めていた。
もう少し強くしたら、血でも出そうになるんじゃないか。
そう、思えるぐらい強く。

また、私を冷たい瞳で見つめていた。
だけど、その内には憎しみの炎が宿っていて。


ぎゅうっと、私は体を抱き締める力を強めた。

ここには味方はいない。
守れるのは私だけなんだ。


≪…ユウナ、それ以上はやめろ≫

そうやって、興奮する彼女を止めたのが昴だった。


≪何でよ!?今まで散々私達は我慢して来たのよ!
言う権利はあるでしょ!?≫

≪…それでも、だ≫

≪……くっ≫

ユウナと呼ばれた彼女は、親指を噛むと悔しそうに眉を顰めた。
そして、昴は黙ったまま、冷淡に私を見下ろすと何も言わず小さな女の子の手を取って消えて行く。

それからすぐに、私をキッと睨みつけるとユウナも私の元から去って行った。


また、暗くなる。


「…なんなの?」