本当は裏で女を人形かの如く扱う、どうしようもない男。

でも、それでいい。
そんな男の方が潰し甲斐がある。

まあ、邪魔をしてきたら…だけど。



アタシの計画を邪魔する奴は、誰だろうと許さない。
そう、誰だろうと。


今、アタシは意識して“声”を遮断してるから、心の声や考えてる事が他の奴に聞こえることはない。
あやめ自身の声は全てアタシ達に聞こえていた。


あやめの意識はいつも酷く、不安定なものだった。
今回の草野の件で更に歪みが出ただけ。

だから、アタシがこうして出てこれている。


そればっかりは草野のお陰だ。
ショックを受けたのは、大好きな草野に騙されたからだ。


後でお礼でも言ってやるか。なんて、あいつからしたらただの皮肉か?


草野の歪む顔を想像して、くくっと喉を鳴らす。


まあ、アタシとしてはあやめが犯されることに何の異存もないけど。
“アタシ”が犯されるのは気分悪いから、殺っただけのこと。


アタシ以外の誰かがどうにかなるなんてことに興味がない。
アタシはアタシ以外好きじゃない。
どいつもこいつも、嘘ばかり並べて、偽善者加減に反吐が出る。