診断を誰もが待った。
それは草野も同様だ。


病院が出した答えは。


――――――解離性同一性障害だった。



殺樹は強制で入院させられ、治療にあたる事になった。

きっと、殺樹ならば殺人未遂の罪として刑に服す事も出来た。
でも、そうしなかった。


あやめはもう草野が死んだと思い込み、壊れ始めている。


目的は達成した。


それならば、どうせならちゃんとした設備で過ごせる場所を選んだのか。
隔離されていようとも。


その、真実は殺樹にしかわからない。


病室で、ただ薄らと微笑む殺樹にしか。