多重人格者【完結】

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殺樹はあやめが寝たのを確認すると、体を起こした。

それから、冷たい瞳で携帯を手に取る。


かける相手は決まっていた。


「………」


その名前を探すと、電話をかける。


「もしもし?あやめ、か?どうした、こんな時間に」

「……あ、心君?」

「……、うん」

「あのね、今から出て来れるかな」

「今?」

「ちょっと話したい事があって」

「何?電話じゃ言えない事?」

「うん…、殺樹の事で」

「!!!わかった、すぐに行くから窓だけ開けて待ってて」

「うん」

「すぐに行くから」



通話を終えると、殺樹は口の端をゆっくりと上げた。
いや、緩まずにはいられなかった。