“殺樹がやろうと、アタシがやろうと…周りから見たらあやめがやった事なんだよ?”
そう、私も思ったのに。
心君はいとも簡単に否定してくれる。
あやめは被害者だって、何度も言ってくれた。
「両親、いなくて良かった。いたらバレてたもんな」
「そうだね」
「明日も来ていい?」
「うん」
「えっと…何か知りたい事ある?」
心君は私から距離を置くと、両手をぎゅっと握り締める。
真面目な瞳で、しっかりと私を見つめた。
正直、知るのは怖い。
怖いけど、私は知りたい。
「私とカンナが代わった時、心君は来てくれたの?」
「ああ、そこからか。うん、葉月ちゃんがすぐに俺のとこに来てくれてね。
大慌てで最初、何を言ってるかわからなくってさ」
「葉月らしいな」
「一緒に探してると、トイレから声がしてまあ、その、女子トイレとか考えてる余裕なかった。
あやめに何かあったらって思って」
そっか、心君はトイレまで来てくれたんだ。
女子トイレに入ってまで、守ろうとしてくれたんだ。



