多重人格者【完結】

「お母さん!?お母さんっ」



何度も母親の事を呼ぶが、シンっとしてる。
ドンドンと叩いた時に、お母さんの声が聞こえた。



「……お願いだからそこから出ないで」


今まで聞いたことない様な、低くて冷たい声。


今のは、お母さんが言ったの?

言葉を失ってると、お母さんが更に続けた。



「買い物行ってる間だけは出られない様にしておくから」



何も、言えなかった。


お母さんの足音がどんどんと遠ざかって行く。
それから暫くして玄関の開く音がした。



……閉じ込められた。



そこまで、されると思ってなかった。

勝手に家なんて出ないのに。



私は力なく立ち上がると、ベッドへと倒れ込む。
もうお母さんとの関係を修復するのは、難しいと思った。



あんなに拒絶されたら、無理だよ。



ぼろぼろと次々に涙が零れて、枕に吸い込まれて行く。

思いっきり泣いて、涙も枯れ果てて、疲れ切った頃だった。