多重人格者【完結】


「……うん、ご飯」

「そう、すぐに用意するわね」

「……」


お母さんは手際良く準備をすると、すぐにリビングから出て行く。
胸が痛すぎて、食べられるかな。


お母さんもどう接したらいいか、わかんないだけ。
戸惑ってるだけ。


……そうだよ、そう。きっと、そう。



≪そんな事ないでしょ?
あんな酷い被害者見たら、自分の娘と思えなくなるかもね?≫

「……っ」



脳内に響くのは、カンナの甲高い声。



≪殺樹がやろうと、アタシがやろうと…周りから見たらあやめがやった事なんだよ?≫



ああ、そうだ。

どこか、他人の様に考えていたけど。


これは、全て“私”がした事なんだ。