多重人格者【完結】


翌日。
薄らと目を開けて、私はのそっと起き上がる。

それから、最初に部屋の中を見渡す。
次に自分の手足など、体を確認した。


……おかしなとこはない。


立てかけてある姿見で、確認するも異常なし。


昨日は誰も出なかったんだ。
それにホッとした。


よかった。
携帯を手に取ると、画面を見る。

だけど、特に連絡は来ていない。



時刻は午前11時20分。
心君は起きただろうか。


とりあえず、顔でも洗って来ようかな。
昨日、睡魔に負けてお風呂に入らなかったし、後で入っておこう。


顔を洗い、リビングに向かうとそこにお母さんがいた。

私が来たのに気付くと、肩をびくっと揺らす。
胸がズキンと痛んだ。



「あ、あやめ。おはよう。えっと、ご飯かしら」


あからさまによそよそしくて、胸にぐさぐさと来る。