どうして、この考えに辿り着かなかったんだ。
そして、どうして、殺樹を休み時間毎に見張らなかったんだ。
あんな事をすると思ってなかった?
昨日、俺に対してあそこまで無慈悲な事が出来るヤツだ。
「……あやめ、は、どうしちゃった、んだろう」
葉月ちゃんも涙を流しながら、体を小刻みに震わせていた。
あやめのあんな姿を見た事がないのは当然だ。
だって、あれはあやめじゃない。
殺樹なのだから。
……知らない振りをさせてもらうけどね。
「わからない」
「草野君、何かあやめと話してたじゃないっ」
「……“どうしてこんな事をするんだ”、ぐらいしか聞いてない。
俺も…あやめがわからない」
「昨日、昨日は?おかしな様子はなかったの?」
俺の洋服を掴み、葉月ちゃんは必死に尋ねて来る。
昨日に続き、今日もあんなあやめを見てしまったんだから。
カンナよりも、殺樹の方が酷い。
……まだカンナの方が良心がある気がするよ。



