多重人格者【完結】


「どうしたの!?」

「あ、あのね」


震える手を握りながら、顔面蒼白の葉月ちゃんはどうにか話そうとしてるが。


「きゃーーーーっ」


つんざく様な、悲鳴の音にそれは掻き消された。
その後に続く、何かが割れる音や、倒れる音。


葉月ちゃんを置いて、俺はその音がする方へと走った。



人だかりを掻き分けて、その中心の人物を確認する。


……それはわかってた、だけど。


まさか、こんな事するなんて。



そこで倒れてるのは、昨日あやめにイチャモンつけた女達。
体がピクピクとしか動いてない。

これ、大丈夫か?


それから、そこにすーっと立つ人物に視線を向ける。


手には椅子。
周りには窓が割れて飛び散ったガラスの破片。


返り血が、顔についていて。



――――――殺樹は不気味なほどの笑顔でそこに佇んでいた。