≪……お前は、あやめが好きなのか?≫




それに殺樹は嘲笑する様に、くくっと喉を鳴らして笑った。
それから、にっと微笑んでカンナを見る。



≪好き?
そんな生温いもんじゃない。
俺はあやめを愛してる。憎いほどにね≫



ゾクリと背筋が凍りつくのを、カンナは感じた。

その目の鋭さが、今の殺樹の言葉全てを肯定しているからだ。


掴めないヤツ、食えないヤツ等、色々思ったけど、それは当然だった。


だって、殺樹の目的はそもそもがカンナとは違っていたのだから。



≪もしも、カンナがあやめを壊してくれるなら、それでも構わない。
俺はあやめなら何でもいいんだ。
どこかおかしくても。
だから、ちゃんと“殺して”ね?≫