俺の先輩、友達、後輩。
合わせても、優に10人はいたんだ。…そう、そこにはそれだけいた。

俺はまた部屋を見渡す。

床には、血やら吐瀉物。
喧嘩が自慢だった先輩だっていたのに、気を失っているのか動かない。


一瞬だった。
泣き喚いていた“そいつ”が急に黙ったと思ったら、一言。
「触るな」そう言葉を発した時、誰の声かわからず皆の力が緩んだんだ。
本当にたった一瞬。
だって、俺すら耳を疑った。

声は明らかに、さっきまで聞いていた“そいつ”のモノではなかったから。

だけど、その拍子に腕を抜かれて、そこからこの惨劇まではあっと言う間だった。


…たった、一人にやられたんだ。


俺に好意を抱いていると聞いて、俺は全く興味がなかったから“そいつ”をここに呼びだしたんだ。


俺はこのゲーセンの、関係者だけが入れる部屋でいつもレイプ紛いの事を行っていた。