「それじゃあ、お風呂借りるよ。
どこ?」
「待てよ、風呂って」
「ん?何かおかしい?」
「だって、お前は男だろ?」
「……くく、あははは!草野君、君って本当に面白いね!
俺はもう何度も何度もあやめの裸は見て来てるよ?
そしてね?
――――あの男とも何度も体を交えたんだよ?」
「っ!!」
「お望みならば、いくらでもお好みの声を出してあげる。
草野君が壊れちゃうかな?くく、あははっ。
いいや、勝手に探させてもらうよ」
何も言えず、高笑いする殺樹を睨む事しか出来ない。
殺樹の姿が見えなくなって、俺は壁をドンっと思いっきり殴る。
殴った箇所からは血が出てるけど、どうでもいい。
好きな女を、俺は守れないのだろうか。
どうしようもない苛立ちが支配して行く。
それでも、洋服を自室から出してそれを書き置きと共に風呂場に置いた。
殺樹の為に、じゃない。
あやめの為にだ。
そう、納得させて。



