多重人格者【完結】

「くく、怖い顔だね?」

「……っ」

「アンとは初めましてだったね?」

「……」

「これで、全員だよ。多分ね」

「多分、って」

「俺も知らない。
カンナも俺の存在は知らなかったし。
もしかしたら、そう言った存在がいてもおかしくはないからね」

「……カンナも知らなかった?」


胡散臭い笑みを相変わらず浮かべる殺樹。



「ああ。あやめが望めば、今も新しい誰かが生まれるかもね」

「止める事は、出来ないのか」

「無理だろうね。だって、諸悪の根源が生きてる。
そして、あやめを欲してる」


それは、多分あやめの義父の事だろう。


「死ねばいいんだけどね」


殺樹は大した事がない様に、さらっと言った。

そこには悪意があるはずなのに。
どうして、そんなに簡単に言えるんだろう。