「え、どういう…」
「そのまんま。あやめは親からの虐待から逃れる為に、精神分裂をさせたんだ」
「……」
「最初に姉ちゃんと会ったのは主人格のあやめ。
さっき会ったのは、殺樹って言う人格。そして、今はアンって言う人格。
他にもまだいる」
「……何それ」
姉ちゃんは信じられないのか、口元に手を当てると呆けている。
まあ、受け入れられなくて当然だ。
俺もカンナを見てないと、すんなりと受け入れる事は難しかったと思うし。
「知らせたくなかったから、黙っててごめん。
原因がいる家に帰らせたくなくて、姉ちゃんの家に連れて来た」
「……」
「だけど、やっぱり俺の家に連れて行く。
もしも姉ちゃんに危害加えられたら嫌だし」
「……危害って」
「……そのまんまの意味。
あ、お腹空いてるみたいだからご飯だけ作ってくれる?」
「……」
姉ちゃんは力なく頷くと、立ち上がりキッチンへと向かった。



