多重人格者【完結】

―――――――――――――――
――――――――――――



両手にスーパーの袋をぶら下げた俺は姉ちゃんの家に戻ると、玄関の扉を開ける。


「ただいまー、ったく重え…」


文句を垂れながら、靴を脱いでいた時だ。


「あやめちゃん!?」



姉ちゃんの切羽詰まった声が聞こえて、俺は慌ててその場に袋を置き中へと飛び込む。


姉ちゃんに肩を揺すられてるあやめは、体育座りをして縮こまっている。
一点を見つめて、口を真一文字に結び、動こうとしない。



「……どうしたの?」



どうにか、そう尋ねると姉ちゃんが眉を下げながら俺を見た。



「…突然、話しなくなっちゃって…、それにずっとこうやってちっちゃくなってて」



あやめの様子に、姉ちゃんは戸惑っている。
昴にユウナ、カンナ、そして殺樹。

俺が知ってる人格はそれだけ。


…まさか、それ以外に人格が?



今までと全く違うあやめの様子に、俺も戸惑いを隠せない。