多重人格者【完結】



「ただいまー」

「おかえりー」


姉ちゃんの家に着くと、玄関の扉を開ける。
俺が言った後、すぐに返って来る姉ちゃんの声。


「帰り早いね。もっとどっか寄って来ると思ってたのに。
あ、あやめちゃんもおかえりなさい」

「ただいまです、奈乃香さん」

「ふふ、あー心、ちょっと買い物行って来てよ」

「何?」


めんどくさいな。
全く。

呆れた顔で返事をすると、「えっとねえ」と言って姉ちゃんはメモに色々書き始める。
……ちょっと、多くね?

渡されたメモには、“ちょっと”ではない量が記載されていた。

つか、醤油って。
まさか、買い置きの為に俺をパシってるわけじゃないよな?



「あやめちゃんは置いてってよー?そんな重たいの、心だけで十分」


やっぱりか。

はあ、まあ。
居候させて貰うし、仕方ねえよな。


すげえムカつくけど。

殺樹と二人きりとか…姉ちゃんが心配だけど。