「はいっ」


葉月は驚きながら、心君に笑顔を作る。


「昨日はありがとう。
これから、ちょっとあやめを数日独占してもいいかな?」

「……」
「……」


思わず、口をきゅっと噤んでお互いの顔を見合わす私達。

心君は綺麗な笑みで、葉月を見つめた。
その言葉は、有無を言わさない感じの威圧感がある。



「ダメ、かな?」


少しだけ困った様に、眉を顰めた心君に葉月はハッとして

「いえ!大丈夫!うん、大丈夫!」

そうやって、何故か確認するように大丈夫を言っていた。


それに、心君はまた綺麗に微笑む。
そのスマイルに、誰もが騙されそうな感じがした。


「そ、よかった」

「あはは」


私は何も言う事が出来ず、空笑いをするしかない。