「まあ、でも場合によっては…ちゃんと話さなきゃならなくなるな。
泊まりの許可を取る時に、あやめの親父さんがいたりしたら」
お義父さん。
その言葉が出ただけで、変に心臓が鳴る。
息苦しい。
「だから、これは博打に近い。
けど、家に行かないと…携帯も持ってないし。
警察に捜索願とか出されるかもしれないしな」
「……」
「かと言って、一人で帰すのは俺が嫌だ。
まあ、あやめが望むなら俺が親父さん殴ってもいいよ?
二度と手を出すなって言って、さ」
「…っ」
驚いて、口を開けたまま心君を見る。
だけど、心君は薄く微笑んだままだ。
「別にそれで捕まろうが、俺はいいよ?
本気で守るってこういう事だろ?
実際、俺ボコボコにしてやりたいし」
「…それは、絶対にダメ」
「何で?ああ。でも、俺が少年院とか入っちゃったら…その間あやめを守れないか。
そっか、確かにそれじゃダメだ」
心君はいいアイディアだったのに、と肩を落としている。
私はそっと心君の手を取って、自分の胸元へと持って行った。
それに心君はぎょっとした顔を見せた。



