多重人格者【完結】



「でも、心君が…」

「俺はどうにかなるよ。あやめの方が心配」

「……ありがとう」

「ああ、それと」


心君は一度、そこで区切ると私を見つめる。


「今日、あやめの家に行くから」


それから、真面目な顔でそう言った。
それに、目を真ん丸にする。


「それでなんだっけ。葉月ちゃんだっけ?
その子も一緒に連れて行く」

「葉月…?」


どうして葉月を連れて行くの?
言ってる意味がわかんなくて、首を傾げる。


「俺ん家に泊めますって、俺が言ったらまずいだろ?
葉月ちゃんには俺と付き合ったとかなんとか言ってさ、泊めたいからアリバイ工作してって頼むわけ」

「……」

「あー…嘘つくの嫌?」

「……」


葉月に嘘つくのは嫌。
だけど、言ってない事があるのは事実だ。


そして、それを打ち明けられるか。
そう問われたら、答えはノーなんだ。



だから、どう返事したらいいのかわからない。