―――――――――…


翌朝。
トントンと何かが鳴る音で私は目を覚ました。


薄らと目を開けて、音のする方に視線を向ける。
ぼんやりとした視界の中、映ったのは奈乃香さんの後ろ姿。


それで、思考がクリアになった。


あ。ここは奈乃香さんの家だったんだ。
それで、私は居候させてもらってて…。


起き上がると、私は奈乃香さんの元に駆け寄り声をかける。


「何か手伝います!」


奈乃香さんは私に気付くと、笑顔で

「おはよー!よく眠れた?
じゃあ…ご飯出来たから、持っていってくれる?」

そう言って、横に置いてあるお皿を指した。



私はそのお皿をテーブルに並べると、自分が寝ていた布団を畳んだ。
それから、盛りつけられたお皿や箸を持って行く。


どうやら、まだ心君は寝ているみたいだ。