多重人格者【完結】

「付き合ってねえって」

「だって、心、女の子にそんな優しくしないじゃない。
ああ、そっか!そうなのか!」

「……今度は何」

「心が好きなのね!あやめちゃんの事!」

「はあ!?バカ姉貴!何言ってるんだよ!」

「だって、そうとしか思えないじゃない!
あやめちゃん、心はやめときな!顔はいいけど、中身すっかすかだから!」

「うっせえよ!趣味悪、ヒステリック女!」

「な!なんですってええ!!」


二人のやり取りに、私は吹き出してしまい、暫く笑っていた。
仲良しだな、二人は。


いいな、兄妹がいるってこんな感じなのかな。


「じゃあ、私は先に寝るわね。心、ついててやるんでしょ?」


テーブルに手をついて、立ち上がると奈乃香さんは寝室へと向かう。
扉を開けながら、心君にそう尋ねた。


「ああ、大丈夫」


心君がそう返事すると、奈乃香さんは安心した様に笑う。