多重人格者【完結】

「心にも話さない方がいい?」

「……はい」

「そう…」

「……すみません」

「いや、いいの。それは。だけど…」


そう、言葉を切った時に心君が髪の毛をガシガシと拭きながら、リビングに入って来る。



「あーサッパリした!…って、あやめ、まだ起きてたのか?」


心君は奈乃香さんの前に座る私を見て、心配そうな顔を見せる。
それから、隣に座ると

「……何かあった?」

そう尋ねた。



「ううん」

「……」

「ちょっと、寝付けなくて。ホットミルクもらってたとこ」

「眠れそう?」

「うん、もう大丈夫だと思う」

「……眠れるまで隣にいようか?」

「つか、本当に二人は付き合ってないわけ?」


唐突に会話に割って来た奈乃香さんは、盛大に溜め息をついた。
私と心君を交互に見ながら、疑いの眼差しを向ける。