多重人格者【完結】


「すっごい、震えてる」


それから、私の震える手を包み込むとぎゅっと握り締めた。
私はやっぱりカンナに勝てない。


あの人の、あの手や声を。
カンナや、他の人格が私の代わりに受け入れてたんだと思うと。


それに対しての負い目もあるけど、私はあれがどうしようもなく怖くて。
その怖さから逃げられるのならば、他の人格に立ち向かうなんて事は自殺行為じゃないのか。


…私がしようとしてる事の意味ってあるのだろうか。


何がしたいんだ。私は。

カンナを救ってあげたい?


……あまりにもバカげている。
軽過ぎる。


私はやっと自分の立ち位置がわかった様な気がした。