多重人格者【完結】



≪気持ち悪い?それとも、…良かった?
あらあら、あやめちゃん。震えてるよ?
あはは、くく、あははははっ≫



嫌だ、もう止めて。



苦しくて、身体が小刻みに震えてる。
わかってる、そんな事。

さっきから、自分の身体を抱き締めてるんだから。



更に響く、カンナの笑い声。



どうしても、どうしても。



その声から逃れたくて。




意識を手放しそうになった時だった。



「……あやめちゃん?」


ポンっと肩に手を置かれて、私はハッとした。
肩から伝わる温もり。


「どうしたの?」


心配そうに私の顔を覗き込む、この人は。



…ああ、奈乃香さんだ。