多重人格者【完結】

「座って座って。コーヒー?紅茶?コーラ?」

「相変わらず悪趣味」

「うっさいわね、心は。仕方ないでしょ、私の趣味なんだから」

「素敵」


そう呟くと、心君はぎょっとした顔を見せる。


「あやめちゃん、わかってくれる!?
本当ね、両親も心も旦那ですら文句しか言わないのよ!」


私の前へ来ると、奈乃香さんはがしっと私の両手を掴む。


「とっても素敵だと思います。私、好きです」

「嬉しい!!あやめちゃん!」


褒めたのが相当嬉しかったのか、お茶持ってくるわね~と、奈乃香さんは弾む様にキッチンへと向かった。


「…あやめ、さっきの本心?」


心君が奈乃香さんに聞こえない様に、こそっと耳打ちして来る。


「うん」


即答すると、心君の顔は引きつっていた。


「そう。姉ちゃんと仲良く出来そうで安心。
座ろうか」

「うん」


二人してソファに座ったと同じぐらいに、トレイに人数分のカップを乗せた奈乃香さんがやって来る。