「俺の場合は何かされたとかじゃなくて、まあ、俺の勝手な劣等感ってヤツ」
「…劣等感?」
見た目もカッコよくって、女を確かに女と思ってない節もあるけど。
スポーツも出来るし。人気なのは頷けるのに。
「俺の中で姉が完璧だったからさ。
だから、勝手に劣等感持ってたわけ。
姉は真っ白って感じ。俺は真っ黒。
まあ、嫌いとかじゃないし、一緒にいるのは楽しいけどね。
ただ俺の中には踏み入れさせないっていうか」
「……」
「それを姉もわかってくれてるんだよね。
まっさらに生きて来たヤツならさ、それを知ろうと心を開かせようと試行錯誤するじゃん?
でも、それをしないんだよ。
自分も腹違いで生まれた事に、少なからず負の感情を抱いてたんだろうな」
「……」
「そんな感情に負ける事なく、真っ直ぐに育った姉が羨ましくって、妬ましかったってわけ。
ね?俺の勝手な劣等感。
ちなみにこれ、言ったの初めて」
「え」
あははって渇いた笑いを出しながら、心君は目を細める。



