多重人格者【完結】


「ちょっと、落ち着いた?」

「うん」


心君と話してたら、さっきまでガチガチだった肩の力も抜けていた。


「少し落ち着いたみたいだから、本題に戻ろうか」


それで私の顔が強張る。
心君はそんな私の手をぎゅうっと握り締めた。

大丈夫だと安心させるかの様に。


「さっきも言った様に、俺はあやめを家に帰す気はない」

「……」


でも、そうしたら私はどこに行けばいいんだろう。
不安げに視線を揺らすと、心君は微笑む。


「俺の家が本当はいいんだけど…あやめは嫌か?
部屋は余ってるから、別に一緒に寝なきゃとかはない。
まあ、それでもどうしても嫌だって言うなら姉のとこに連れてく」

「お姉さんがいるの?」

「ああ、腹違いの」

「……」


サラっと平然と言ってのけるから、一瞬わからなかったじゃないか。
再婚とかなんか?

深く突っ込めない。