「だって、なんか面倒じゃん?
絶対、痛い思いとかしそうだし。
でも、それ以上に放っておけない気持ちが強いわけ」
「……」
「わかんね。俺、もしかしたら少しあやめに惹かれてるのかもな」
「…え?」
草野君は頭を掻くと、目をぱちくりとさせる私に口を尖らせている。
「だって、俺好きとかわかんねーし。
誰かを好きになった事ねーし」
「……」
「ひっでー男でしょ?色々と。
俺、あやめには謝っても謝っても足らないかも」
「……草野君」
そんな事ないっていう風に、首を振るけど草野君はそれを制する様に目を伏せる。
それから、遠慮がちに口を開く。
「あのさ。希望言ってもいい?…出来たら心君がいい」
「……し…心君」
「ん。…はは、何だろ、嬉しいんだけど」
繋がれた手に力を込める心君。
そんな満面の笑みを向けられたら、こっちまで照れて来る。



