~美姫 side~


今は調理実習中。

作るのは…クッキー♪


詩織『あ~!型忘れた~!!』


詩織は料理が苦手。

というか…
持ち物忘れるって
苦手とかそれ以前の問題でしょ。


美姫『わたしの使う?たくさん持ってきたから。』

詩織『使う~!なにこれ~!かわい~♡
これ使っていいの!? 』


キラキラした目で聞いてきた。


美姫『もちろん。遠慮なくどうぞ♪ 』

詩織『やったぁ♪ありがと~!』


そう言って詩織が行ったと思ったら


夏妃『美姫〜…』


ふりむくと
どよ〜んと暗いオーラ全開の夏妃。


美姫『どうしたの?』

夏妃『…持ち物揃えて材料も計ったのにうまくいかないの…』


あらら。

夏妃は詩織と違って
レシピ見て人の話聞いてるのにうまくいかない。

見た目は料理できそうなのに…。


美姫『じゃあ一緒にやろっか? 』


…で結局いつも詩織と夏妃に教えながら自分の作業をする。

ふと男子の方を見てみると

拓真はちょっと苦戦中。

でも柊は器用でこういうの得意だから

拓真に教えている。

拓真よりこっちの方が大変だな…。


そんなこんなで…


『『『できたー!!!』』』


なんとか完成。

詩織のは焦げてるのと半生のが半々。

そりゃそうでしょ。

生地が薄っぺらいのと分厚いのがバラバラなんだもん。

わたし教えたのに…

聞いてなかったの?

詩織に呆れ夏妃を見ると


夏妃『…今までで一番うまくできた…!』


と感動してる。

形はぎこちないけど…the手作りって感じ。

でも喜んでるからよかった。


詩織『美姫は~?』


と詩織が覗いてきた。


夏妃『相変わらずうまいね。売ってるのみたい。』

と夏妃まで覗いてきた。


美姫『そう?』

詩織『おいしそ~♡ねぇ!味見味見♪』

夏妃『あ、ずるい! わたしも!』


と2人しておねだり。

そんなことしなくてもあげるのに…。

そう思いながら渡すと


美姫『どうぞ。』

詩織『うま~♡』

夏妃『おいし~♡』


よし、味は大丈夫そう。

これなら先生に渡せる。


すると…


拓真『お前らずるいぞ。俺にもくれよ。』

柊『……』


と2人も来たから渡すと


拓真『やっぱうめーな。』


ニカッと笑い褒めてくれた。

柊は…

無言…。

かと思ったら


柊『…うまいな。』


と言ってくれた。


美姫 『 後でまたあげるね。て言うか次体育だよね?着替えないとじゃない? 』


そう言うとみんなははっとし急いで教室を出ていった。

わたしは誰もいない教室で
用意してあった箱にクッキーをつめて
綺麗にラッピングして保健室に向かった。