ガチャ、と扉を開けると、私は靴を脱いでリビングに入った。 「ただいま」 「詩音、おかえり。遅かったわね」 お母さんが小さく微笑みながらそう言った。 「うん…………公園で友達と話してて…………」 その時だった。 急に視界がぐにゃりと歪み、胸に激しい痛みを覚える。 私は苦しくて、床に倒れた。 「………詩音? どうしたの………?」 明らかに喘息の発作とは違って、胸が苦しくてたまらなかった。 「詩音! 大丈夫!?」 慌てたようなお母さんの声が、遠く聞こえる。 そのまま私は、意識をなくした。