《2》


濡れたままの髪にバスタオルをのせ綺麗な制服を着る。
風呂で温まったためか、睡魔の波が襲ってくるようになった。

「ん~」

大きなあくびをかみ殺し伸びをした。
シャンは居間でテレビを見ているようで時折笑い声が響いてくる。

上着を腕に引っ掛けそのまま居間まで行った。

「お、出たのか。ちょい見てみコイツ等。くっだらねーんだって」

「なのに笑ってるんだね」

「だってさぁ、コイツ等喋るたびに会場内しーんとするんだぜ?失笑失笑シラケ笑いよ」

テレビのリモコンを手でもてあそびながら相当ツボに入ったのかまだ笑っている。

「それじゃあこんなつまらないのよりもニュースを見ようか」

ひょいっとシャンが頭上に放り投げたリモコンをキャッチしてチャンネルを変えた。
途端、シャンから猛烈なブーイングがきた。

「待てってー。ニュースよりは面白いじゃんヨー。なーなーなーなー、変えて変えて変えてー」

「朝はニュースが一番だよー?」

シャンがリモコンを取り返そうとソファから身を乗り出して手を伸ばしてくる。
それをかわしながらシャンの隣に座り、テーブルの上のココアを飲み干した。