髪をくくっていたゴムをはずし、手首に通した。
ヴォルの髪もシャンと同じくらいの長さで同じような結び方をしているのだ。

パサリと広がる髪にうっとうしさを覚えながらもシャツを脱ぎ、シャンと同じ型のネックレスをはずした。
このネックレスは初めて日本に来たときに買って貰った物だ。
偶然にも同じものが気に入ってしまいおそろいになったのだが。

肩にかかった髪を払いのけふと手首に目をやった。
先程までの痛みが嘘だったかのように、今は痛みがない。
それどころか手首を一周していた痕さえ消えて、何もなかったようにもとに戻っている。
不安になって微かに眉根を寄せた。

(病院行った方がいいのかなぁ・・・)

ふう、と息を吐く。
目にかかった前髪をかきあげズボンを脱ぎにかかった。
脱いだ衣類を洗濯機に放り込みシャワーを出す。

「はあ・・・」

頭上から降り注ぐ冷水は、次第にぬるま湯へと変わっていった。