《1》


「よォ! ナニやってたんだよ。朝帰りたぁ良いご身分じゃねぇか。しっかしあの泣き虫ヴォルハイド君が朝帰りねぇ。大人の階段上っちまったか。で、相手は美人系か? クールビューティーなのか? 純日本人大和撫子? あ、それよりもカワイイ系かぁ。萌えーとか言うの? お前」

戸を開けたとたん一方的な会話発生。
でも、こんなトークはまだ短い方だ。
そんなことよりもヴォルが驚いたのは他にあった。

「なんで起きてるの? 早くない?」

そう。
いつもよりも断然早いのだ。
今の時刻はAM6時をちょっと過ぎたところ。
同居人は普段ならまだ眠っている最中のはず。

「あー、でも高一とか早過ぎないか? つかオレより先にとか本当に悔しい」

ヴォルの言っている事など耳に入っていない様子で彼はあごに手を当て悔しがっている。
考え事や興味深いことがあるとこうするのだ。