「あーあ、どうすんのよ植松。


それ、高校生達に見つからないようにしないといけないんだよ?」


「心配すんなって、どーせ、あのエリートさん達は、俺達が約束通りにしてくれるって思ってるんだろうから、


この部屋のどっかに隠しとけばいーんだよ」




と言って、ぬいぐるみを無理矢理、壁の穴に突っ込んだ。


その時、ぬいぐるみの目がぎょろっと動いて、植松先輩を睨んだ…ように私は見えたけれど、植松先輩は気付いていなかった。




「チッ、次の部屋行くか」




そして、私達は部屋を出た。


部屋を出て、横を見ると、高校生達が廊下にいて、しんみりしていた。


よく見ると、女子は何人か泣いている。




「一体、どうしたんだろう………」




私がぼそっと呟くと、




「聞いてきたら?気になるんならさ」




りん子先輩は、私にそう言ってきた。


まるで、「聞いて来い」と命令しているように…。