南川先輩が壁から足を退けると、そこには熊のぬいぐるみがった。




「でかした、南川!」




植松先輩が、南川先輩の背中を叩いた。




けれど、そのぬいぐるみは、すみれ色のスカートを穿いていて、耳には白い花がついていた。




「……あ?なんだこりゃ。


おいおい、ふざけてんのか!?


お前、何でメスの熊のぬいぐるみ見つけやがってんだよ!!!


これ、あいつらのゲームのニセモノの特徴言う奴だろ!?


ああ!?」




植松先輩は、南川先輩を3発、殴った。


ドンッという鈍い音が3回、鳴った。




南川先輩は、尻餅をついた。




南川先輩の口からは、血が流れていた。




とても痛そうだ。




「すいません……」




と、小さく南川先輩は謝った。