私達はゲームをクリアさせた。
そして、ゆっくり、ゆっくりと日常を取り戻しつつあった。
山崎君は、あの屋敷から出てからというものの、いつも笑顔だ。
ゲームをする前の、どこか不思議な雰囲気は消えていて、より人間らしくなったというか……。
山崎君はいつも、「北出さんの為にも、俺は自分にもう嘘は吐かないんだ」と言っていた。
飯島さんとはクラスが遠く、あまり会わないけれど、ゲームをする前とはあんまり変わらないような気がする。
橘川君は、ゲームをする前よりも、学校をサボったり、授業中に寝たりする頻度が増えたらしい。
空峰君は、ゲームをする前より、少し不思議な雰囲気を纏っていた。
まるで、ゲームをする前の山崎君のようだった。
「空峰君」
「…土井」
「どうしたの。
最近、ぼーっとしてる」