空峰君の足首を掴んでいた手が離れていく。




『冬花、ごめんなさい……………ごめんなさい………………………。


お母さん………お母さんひどいことしちゃった…………』


「ううん、だって、わたしをたのしませようとしてくれてたんでしょ?


いいんだよ、お母さん…。


わたし、お母さんのこと大好きだから………」


『冬花…………………』




とうかちゃんのお母さんは、さっきまで血まみれだったのに、いつの間にかあの部屋で見つけた、あの写真のような綺麗なお母さんになっていた。




そして、光が二人を包み、二人はゆっくり、ゆっくりと消えていった。




その光景を、私達はずっと眺めていた。