やっと、この屋敷から出られる。


このゲームをクリアできれる。


やっと、やっと……………。




そう思ったそのときだった。




「あぁ!!?」




空峰君の足首を、とうかちゃんのお母さんが掴んだ。




『もウ逃げラレないワヨ。


許さなイ、殺しテヤル………!!!


ソウスレバ、ゲームオーバーよ……ウフフフフフフ!!!!』




「や、やめてええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」




私が、そう叫んだときだった。




「お母さん、もうやめて」




とうかちゃんが、現れたのだ。




『冬花……だっテ…………』


「お母さん、“わたし”、もうじゅうぶんだよ。


もう、いいんだよ。


ただしくんはわるくない。


“わたし”は、ずっとこのゲームがいやだったの……。


たのしいフリをしていたの、お母さんのために……………」


『冬花……………』


「だから、やめて…………」




そう言って、とうかちゃんはお母さんに抱きついた。