「わ!?」




ドンッ!と山崎君を、桜子ちゃんが押した。




「北出さ………………」


「山崎、生きて帰って。


あなたは、今まで自分を押し殺してきた。


その分、生きて。


お願い、生き………グハアァッ!!!!」




とうかちゃんのお母さんが、桜子ちゃんのお腹を殴り、桜子ちゃんのお腹から、とうかちゃんのお母さんの腕が出てきた。




「ああぁ……あああ!!!」


「何やってんだよ、山崎!!!」




橘川君が、山崎君の腕を引っ張り、再び走り出す。




「北出はお前を庇ったんだ!!


お前まで死んでしまったら、北出がお前を庇った意味がなくなっちまうだろ!!!!」


「そうだ、生きて帰らないと………生きて、帰らないと…………!!!!」