そもそも、ニセモノの俺を、土井は好きになんかなれないだろう。


俺のせいで、皆が死んだんだから。




それに、俺はずっと嘘を吐いていた。


この屋敷に来たことがあるのに、ずっと皆に黙っていた。




俺は、この屋敷に何度も来たことがある。


小さい頃、何度も何度も、この屋敷に遊びに来た。


冬花ちゃんに会いに………………。




俺は昔、この屋敷の近くに住んでいた。


冬花ちゃんは、いつも俺と遊んでくれた。




『このお花のなまえはね、タンポポって言ってね…………』




いつも楽しそうに、植物や虫と触れ合ったりして…。




『ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な


て・ん・の・か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り


てっ・ぽう・うっ・て・バン・バン・バン


か・き・の・た・ね


1・2・3・4・5・6・7・8・9・10』


『冬花ちゃん、そのうたなあに?』


『これはね、どっちかまよったときに うたううたなんだよ。


それでね、ゆびをこうやりながら うたうんだよ。


うたをうたいおわったときに ゆびさしたほうを えらべばいいの』


『へえ、そうなんだ』