俺は、実は土井のことが好きだった。


でも、土井はきっと山崎のことが好きだ。


何となく、いつも山崎の言動を気にしているような感じがする。


山崎が北出を抱きしめたとき、土井は笑っていたけれど、どこか羨ましそうにその様子を見ていた。




そんな土井を、俺はずっと見ていた。




俺は、山崎が羨ましかった。


土井に好かれている山崎が、すっごく羨ましかった。


けど、山崎を超えるなんて無理だ。


頭良いし、スポーツもできるし、男の俺から見ても本当に格好いいと思うくらいの容姿。


そんな山崎に、俺が敵うわけがない。




だから、諦めていた。


どうせこの恋は、叶わない。




だけど、土井が植田と揉めていたとき。


チャンスだって思った。


だから、俺は土井を助けた。


俺が土井に絆創膏をやったとき、土井は少し顔を赤くしていた。




もしかして、


俺のこと、好きになってくれた?




なんて少し期待したけれど、そんなことありえない。