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薄々、分かっていた。


俺がニセモノだって。




だって、俺はこの屋敷に、何回も何回も来たことがある。




俺が、きっとニセモノだ。


ずっとそう思っていた。




山崎がこの屋敷に来たことがあるって、だから自分がニセモノだって言ったときは、正直、気が楽になった。


良かった、俺はニセモノじゃないんだな。


俺は、ホンモノなんだな。




そう思った。




だけど、今は違う。


今の山崎を見て、思う。


あいつはきっとホンモノだ。


あんなに泣いたり、笑ったりする奴がニセモノとは、到底思えない。