「7月21日




なんとか冬花は生きている。


でも、やっぱりもう駄目かもしれない………。


旦那がやっと帰ってきた。


冬花のことを話すと、旦那は少し難しい顔をした。」


「7月23日




冬花は、まだ生きていてくれた。


私は冬花に言った。




もうすぐ、死ぬかもしれないと。




それを聞いた冬花は、マネキンみたいに、無表情になった。」


「7月25日。




余命二、三日と言われて、もう一週間以上するけれど、冬花はまだ頑張って生きている。


けれど、もう………。」


「7月26日。




冬花が、死んだ。


病気で、死んだ。


笑いながら、死んだ。




『ゲーム』と言いながら、死んだ。




冬花が、死んだ…。」




弱々しい文字で、そう書かれた7月26日の日記。


文面からも、とうかちゃんを失ったお母さんの心が空っぽになって、とうかちゃんの死を受け止められない、といった様子が伝わってくる。