「7月16日




冬花が、ゲームが欲しいと言ってきた。


『ゲームはおめめが悪くなって、頭が痛い痛いになってしまうから、駄目』と私は言った。


冬花は悲しそうにしていた」




ゲーム…………。


もしかして、このとき、とうかちゃんのお母さんが、「いいわよ、買ってあげる」と言って、とうかちゃんにゲームを与えていたら、こんなことにはならなかった…………と思うと、少しとうかちゃんのお母さんが憎らしくなった。




このゲームのせいで、皆…皆…………。




竹井君も、美玖も、安西君も、好実ちゃんも、あの中学生達も、飯島さんのお姉さん達も、山崎君の友達も…。




皆、死なずに済んだのに。




山崎君だって、自分を押し殺したりせずに、気楽に生きていけただろうに……………。




そして、橘川君は次のページをめくった。




「7月17日




また、卯月先生に来てもらった。


『あと二、三日生きられるかどうか……』ですって……。」