「7月4日




家政婦の山崎さんに冬花の部屋の掃除を頼んだ。


こっそりその様子を見ていたけれど、山崎さんは無言で冬花の部屋を掃除して、その様子を無言で見つめる冬花は、とてもつまらなさそうだった。


どうやら、山崎さんと冬花の相性はいまいちのようだ。




よく働くといえば働くのだけれど…。


もっと笑顔になれないのかしら?」




こっちの日記にも、山崎君のお母さんが登場してきた。




でも、だからどうってことはない。





「7月7日




冬花が、笹に短冊を吊るしているのを見つけた。


『お外にいけますように』ですって。




…ごめんね、冬花。


それは無理かもしれない。」




無理かもしれない…………?


その言葉で、私達は顔を見合わせた。




「無理って…」


「とうかちゃんのお母さんはもう、とうかちゃんが死にそうなことを知っていたのかな………」