空峰君だ。




「ありえない、ありえない、ありえない、ありえない…………………………」


「ちょ、植田!土井が怪我しているじゃないか!離せってこの…………!」


「きゃっ!!」




空峰君は、私から好実ちゃんを引き剥がしてくれた。


好実ちゃんは、その場で尻餅をついた。




「土井、大丈夫か?


肩から血出てるけど……………」


「へ、平気だよ。


ありがとう」


「でも………………。


あ!俺、絆創膏持ってるから。


ほら」




そう言って、空峰君はポケットから絆創膏を出し、私の肩に貼ってくれた。


空峰君の指が、私の肩に触れた瞬間、すごくドキドキした。




「絆創膏持ってるなんて、女子力高いね」


「男子力の方が欲しいけど」


「何言ってるの?


むしろ、空峰君に男子っぽさなんか存在しないじゃん?」


「はあ!?俺だってなぁ…………………」