「………何言ってるの、好実ちゃん。


確かに、桜子ちゃんがニセモノかもしれないけれど、山崎君だって、ニセモノかもしれないんだよ?


もし、山崎君がニセモノだったら…………」


「そんなことありえない!


山崎君はニセモノじゃない、絶対に!!!ありえないの!!!!」




好実ちゃんはそう言って、私の肩を掴んだ。


ギギギ、と好実ちゃんの爪が、私の肌に食い込む。




「痛い、痛いよ好実ちゃん!離して!!」


「ありえない、ありえない、ありえないの!!!」




駄目だ、話にならない。


好実ちゃん、一体どうしちゃったの?




「桜子に山崎君をとられるなんて。


ありえないもん、ありえないもん!!!


だって、私のほうが、私のほうが……………………」




好実ちゃんの爪が刺さった部分から、血が出てきた。


痛い、誰か……………助けて…!




そう心の中で叫んだときだった。




「何やってるんだ?」